アイドルに恋した日

龍side

愛美ちゃんに連絡できないまま1週間が経とうとしていた。

愛美ちゃんと仲良くなりたい。

ただその気持で文字を打っては消して、、、の繰り返し。


「あー、どうすればいいんだよー、、、」


ため息混じりで声にすら出てしまう。


「なに、最近。すげー病んでるじゃん。」


同じ仕事で来ていた豹にもバレるくらい

気持ちが外に出ていたみたいで心配される。


「いや、まぁ別に。」


「この後買い物に付き合ってよ。気晴らしにさ?どう?」


気晴らしか、、、。まぁ、あり?

悩み過ぎも仕事に支障出るのは避けたい。


「あり。」

「んじゃ、さっさと終わらるぞ」


約束をし撮影スタジオに向かった。

スタジオではマネージャーとカメラマンさんが深刻そうな表情だった。


「どうしたんですか?」


「あー、龍。明日の撮影何だけど、

モデルさんが来れなくなっちゃったみたいで。

今、いろんな事務所にコンセプトに合うモデルさん探してるの。」


マネージャーの表情からして結構深刻な問題なのか?

今日明日の撮影コンセプトには女性モデルは必要不可欠だと。


「龍くん、いいモデルさん知らないか?この際一般人スカウトするか?」


カメラマンさんの言葉にひらめく。


「俺、もしかしたらいるかも知れないです。モデルさん。」

「「本当に?!」」

2人の表情が驚きと喜びが感じられる。


「ちょっと連絡入れときます。」


ずっと愛美ちゃんのことを考えていたからか、

すぐに適任のモデルでと感じた。


電話をかける手は先程と違い、一切の迷いがなかった。

1コール、2コール、時間が流れる度に緊張感が増す。


10コール経っても電話に出ない。



また後でかけ直そうかな、、、。
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