アイドルに恋した日
個室に案内され少し沈黙が続いた。


とりあえず、イライラはするが仲直り(?)しないとだよな。

重たい口を開くのに少し心の準備がかかった。


「あのさ、、、さっきは、睨んでゴメン」


「いいよ、俺は気にしてないし。

それより聞きたいのは愛美ちゃんとの撮影のことでしょ?」


俺の気持ちを見透かしたかのような言葉。


「あれ、キスしたと思ってるでしょ?」


「うん。してないの?」


「うん。カメラの角度を考えてキスに見せかけた演技。

カメラマンさんもマネージャーにも驚かれたよ。」


何故か少し安心した気持ちになった自分がいた。



でも、まだ気持ちが晴れない理由を見つけるのは簡単だった。

”豹が愛美ちゃんの事をどう思ってるのか”

それが気になってしまった。


「まぁ、愛美ちゃんには驚かせてしまって申し訳ないなと思ったよ。

でも、俺のイメージsexy王子様じゃん?

あれはファンのみんなの為?っていうか、ね?」


「んじゃ、豹は愛美ちゃんの事好きとかではない?」


思わず、考えていた言葉が口から出てしまった。

焦ってる、俺を見てなのか笑う豹。


「人として(?)は好きだよ?でもLOVEの好きではないよ。笑」


よかった、、、。いや、なんで俺はよかったなんて思ってるんだ?


「龍は愛美ちゃんの事LOVEの好きでしょ?バレバレだよ笑」

「俺が?」

「うん」

「愛美ちゃんのこと?」

「うん」

「好き?」

「うん笑」


思い返すと、自分では気づかなかった感情に理解ができる。

少しずつ愛美ちゃんの虜になっていた。
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