アイドルに恋した日
「それでね事務所のデビュー組が使える練習室に行ったら、

豹先輩が他のグループの女の子と喋ってるのが聞こえてきて、、、。」


豹さん？私は彩菜にも雑誌の撮影の話はしていたので、

豹さんにキスされそうになったことも知っている。


「元々事務所の候補生の中では有名な話だったんだけど、

豹さんは結構女の子遊びが激しい方って。」


「え？」

「でも私はかっこいいから誰かが羨ましくて流した噂だと思っていたの」

「うん」


真剣に彩菜の話に耳を傾けてはいたが頭の中で整理がつかない。

あの時のキスされそうになったのは、雑誌撮影のポージング。

ただそう思っていた。


「でも、どうやら本当だったぽくて、

女の人と豹さんと話してるのを見かけてしまったの。

それも２回なんだけど１回目は抱き合ってるのを見たの。」


豹さんが？

メッセージでは気遣ってる様子で、見た目だけがチャラいだけ。

そう思っていた。


「その次の日に私は豹先輩と学校で会ったの。

実は愛美の財布を拾ってくれたのは豹先輩なの。

愛美に豹先輩が近づくのが嫌で財布を少し強引に奪い取ったの」


彩菜の表情は真剣で嘘ついていない本当のことだと確信した。


「２回目は同じ女の人が豹先輩に近づいて抱きつこうとしたのを見たの、

でも豹さんは腕を振りほどいていたの。

それが、雑誌の撮影をしていた次の日」


私はポカンとした。


「え、次の日ってなにか関係ある？」


彩菜は大きくため息をついていた。

何も、わからず頭の上には？？？が出ていた。


「もしかすると豹先輩は愛美の事が好きかもしれないの！！！！」


え、え、え、、、、私？

どうして、そういう考えになったのかわからなかった。
< 63 / 81 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop