アイドルに恋した日

龍side

雑誌の撮影が終わり、俺は愛美ちゃんと距離を縮めたかった。


俺から連絡した方がいい?

悩んだ結果無難な

「今何してる?」と送った。


「俺、何悩んでるんだよ。ってか今何してる?って変かな?

ストーカーみたい?って、、、あーーーーわかんねー!!!」


ピロリン♪


「夏休みの宿題してました。」


返信が来た。やばい嬉しい。って俺どうしたんだ?

なんで最近愛美ちゃんのことばっか考えてるんだよ。

今まで恋愛をしたことがなかったからなのか、

まだ「好き」という感情になれていなかった。


「僕は運動してきたよ。ご飯食べた?」


なんで、聞かれてもない俺のTMI公開してるんだよ。

自分で打ったメッセージに対して自分でツッコミしている

カオスな状況に一人で混乱していた。


「お疲れさまです。ご飯食べました。」

やばい愛美ちゃんと会話を続ける方法がわからない。

意外と返信がそっけないのも、かわいいと感じる。


「何が好き?」

「お寿司です」


急いで美味しいお寿司屋さんを調べた。

あ、今度ここ一緒にいこうかな?

なんて考えたが俺はアイドルだということをすぐに思い出し、検索履歴を消した。


俺はアイドルだから、好きになっても付き合わない。

そう誓ってる。


みんなのアイドルなのに誰かのものになるなんて考えはなかった。

だけど俺は愛美ちゃんのことが気になった。好きになった。



「告白しない。ただ、一方的に好きなだけ」

そう思いながら愛美ちゃんとの連絡を毎日のようにした。
< 66 / 81 >

この作品をシェア

pagetop