ゆめものがたり

夢に会いにくる

ひろ「いけー」

ひろはそのまま才蔵をすり抜け、島に向かう。

横を通る時、才蔵はニヤリと笑った気がした。

ひろは島に上がり、みんなを待つ。

島は南国風の島で、時刻はお昼ごろ。

近くに崖があり、その上に光の球がある。

空は雲が立ち込めて今にも降りそう。

ひろ「みんなやったよー」

バク「いやー、すごいすごい。一着おめでとう」

バクは空を見て、

バク「うん。どうやらそろそろ雨が降りそうだね。今日はここでお開きにするか」

ひろ「バクさん、みんな今日はありがとう」

おじいちゃん・おばあちゃん「ひろまたね」

バクはひろの頭にポンと手を乗せる。

バク「ひろ。今日はありがとう。二人も君に会いたがってたみたいだったから連れてきた。ひろが最後に見た二人はとても苦しそうだったよね。ひろは2人が今でも苦しんでいるかと思っていたのかもしれないけど、二人はもうその苦しい心と体を手放して、心も体も苦しくなくなったんだ。そして今は平和でちょっぴり退屈で、幸せな生活を過ごしている。君がいつまでも苦しむことはないんだよ」

ひろ「…でも寂しい」

バク「その時は、また夢に会いにくればいい。いつでも待っているよ。みーんな君のことが大好きなんだから」

バクは反対側の手の指をパチンと鳴らす。

世界に静寂が訪れる。

さあ、新しい朝の始まりだ。

※この話は全てフィクションであり、実在の人物や団体などとは一切、関係ありません。
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