ゆめものがたり
第3章 祈りの歌

虎之助

目の前に白い虎が現れる。

ひろ「わっ」

白い虎はこちらに向かって何か吠えているが、声が聞こえない。

ひろはキョロキョロと周りを見渡す。

どうやらここは森のようだ。

近くにせせらぎの音が聞こえる。

ひろは川の方へと近づいていく。

小川の中央には石があり、その上にバクが胡座をかいていた。

バクは目を閉じて、小さなビンを嗅いでいる。

ひろ「バクさん、こんばんは」

バクは静かに目を開け、

「やあ」

と笑顔で言った。

ひろ「何をしているの?」

バク「香りを嗅いでいるんだよ」

ひろ「何の香り?」

バク「フランキンセンス。心を静める香りさ」

ひろ「へぇー」

バクと話していると白い虎がやってきた。

ひろ「わわわわわっ、また来た!」

バク「よお、虎之助。君もちゃんとひろを迎えに行ったみたいだね。後でお肉をあげるからね」

虎之助は声を上げずに吠えて、その場を去って行った。

バク「さーて、今日も参りますか」

バクは左手の指をパチンと鳴らした。

気がつくとひろ達は浜辺にいた。

時刻はお昼頃。

前方には樹のよく茂った島が見える。

※この話は全てフィクションであり、実在の人物や団体などとは一切、関係ありません。

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