幼馴染みの鍵が開いた瞬間から溺愛が止まらない
Ⅸ
22時を回っていた。
わざわざ、最寄り駅で降りて家の近くまで送ってくれた。
奏ちゃんのコーヒーショップの前は公園になっている。
私の家はその隣。
通りを曲がると公園が見えた。
「もうすぐ着くので、ここまでで大丈夫です。」
「ふーん、家どこ?」
「公園の前の店の横が家なので。」
「そうなの……。」
店で妹さんが働いていること、知っているはずだけど……木下さんは何も言わない。
店はすでに閉まってる。彼女も帰ったはずだ。
木下さんは、公園に入ると私に向き直った。手を握る。
びっくりして顔を上げると腕を引かれた。
「好きだよ。本当に。いい返事待ってる。」
シトラスの香りに抱きしめられた。
横にいるといつもうっすら香っていたけど、腕の中だと濃厚だ。
つい、胸を押し返してしまった。
「緑、連絡しろって言ったのに。待ってたんだぞ。」奏ちゃんの声がした。
後ろを振り向くと、店の前に奏ちゃんが立っている。どうして?
こちらに歩いてくると、木下さんに頭を下げた。
「すいません。送っていただいたんですね。ありがとうございました。」
「え?ああ、あの……貴方は?」
「こいつの幼馴染みです。」
「奏ちゃん、びっくりさせないで。木下さんすみません。今日はごちそうさまでした。送っていただきありがとうございました。」
深々と頭を下げ、礼を言う。
わざわざ、最寄り駅で降りて家の近くまで送ってくれた。
奏ちゃんのコーヒーショップの前は公園になっている。
私の家はその隣。
通りを曲がると公園が見えた。
「もうすぐ着くので、ここまでで大丈夫です。」
「ふーん、家どこ?」
「公園の前の店の横が家なので。」
「そうなの……。」
店で妹さんが働いていること、知っているはずだけど……木下さんは何も言わない。
店はすでに閉まってる。彼女も帰ったはずだ。
木下さんは、公園に入ると私に向き直った。手を握る。
びっくりして顔を上げると腕を引かれた。
「好きだよ。本当に。いい返事待ってる。」
シトラスの香りに抱きしめられた。
横にいるといつもうっすら香っていたけど、腕の中だと濃厚だ。
つい、胸を押し返してしまった。
「緑、連絡しろって言ったのに。待ってたんだぞ。」奏ちゃんの声がした。
後ろを振り向くと、店の前に奏ちゃんが立っている。どうして?
こちらに歩いてくると、木下さんに頭を下げた。
「すいません。送っていただいたんですね。ありがとうございました。」
「え?ああ、あの……貴方は?」
「こいつの幼馴染みです。」
「奏ちゃん、びっくりさせないで。木下さんすみません。今日はごちそうさまでした。送っていただきありがとうございました。」
深々と頭を下げ、礼を言う。