幼馴染みの鍵が開いた瞬間から溺愛が止まらない
Ⅹ
「お前、昨日から連絡しろといったのに、何で連絡しないであいつに抱きしめられてるんだ。ふざけるな。」
コーヒーの香り。奏ちゃんの匂いだ。奏ちゃんが私を抱きしめてる。
お酒のせいか、身体が熱い。力が抜ける。
「おい、緑、大丈夫か?」
反応がない私を離そうとしたら、奏ちゃんに倒れかかってしまった。
「う……ん、ちょっと酔いが回ってごめんなさい。」
「……緑、お前、分かってるのか?お前は誰にでも抱きしめられるのか?酔っていれば誰でもいいのか?」
頭が冷えた。
奏ちゃんを下から睨む。
よくそんなひどいことが言える。
誰のせい?奏ちゃんが私を妹にしたんじゃん。
「じゃあ奏ちゃんは、どうして今日私に会いたかったの?」
奏ちゃんは目を大きく見開いて、私をじっと見る。
「……昨日の……話……ごめん。カーテンの陰から木下さんが見ていたからはっきり答えられなかった。緑、嬉しかったよ。」
奏ちゃん、今なんて?
「え?何が嬉しいの?私、昨日泣いてたんだけど。」
「俺のこと、好きっていったこと。緑、聞いてくれ。俺もお前が好きだよ。女として。もしかすると、お前と同じ頃から。」
「嘘、嘘だ。」
「どうして?」
「妹って言った。」
「言ってない。そうじゃない、俺がお前の兄としているべきだと思い込んでた。好きになったらだめだとずっと青の手前ブレーキかけてた。高校の頃から。」