幼馴染みの鍵が開いた瞬間から溺愛が止まらない
 翌日、金曜日。
 社食で葉月に相談する。

 「……はー、緑。私さあ、二次会の幹事やったでしょ。森川君のことはほぼ把握したと思うんだ。緑の話も聞いていたからさ。アノ、森川君が浮気する?考えらんない。溺愛って言葉の意味を実録している夫婦って言われてるの知らないの?」

 「……そうなの?」
 「そうそう。」箸を振り回して、私をビッと指した。

 「前も言ったけど、あんたは思い込みが激しい。確認しなさい。見るだけじゃだめ。嘘はけないように、首絞めてでもきちんと話をしてきなさい。」
 「……首絞めてって。葉月、彼との付き合いそんなことしないといけないくらい、彼やばいの?」

 こちらを見て箸を止めた葉月は、下を向く。
 「私のことはいいです。私はね、やばいと思ったときにはすぐに行動してるの。嘘つかれて答え合わせゲームなんて、時間の無駄。ステキな男子は他にもいる。結婚してないんだから早送りしていかないといけないの。」

 葉月……。さすがです。付いていきます。

 決戦の金曜日~♪
 鼻歌歌う余裕もなく、速攻片付けて、飲みのお誘いを蹴散らし、帰宅するべく急ぐ。

 今日はまだ六時半。すごい、最短記録。
 やれば出来るね、私。
 店の中を見ると、居る居る。
 喜んでいいんだか、悲しんでいいんだか分からない。
 今日こそ聞くぞ、絶対に。

 
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