君の犬になりたくて

第6話

〇体育祭 グラウンド テント下

体育祭日和の快晴。
琴「いい天気だね!」
信太郎「そうだな」
琴「一緒にがんばろうね!」
信太郎「おう!」
信太郎(琴にいいとこ見せるぞ!)
真「信太郎くん、ちょっといいですか?」
信太郎「君は、、、」
真「僕は、隣のクラスの真です。」
信太郎「あぁ、そうだった。それで、用ってなに?」
真「ここじゃ何なので、場所を移動させましょう。」
琴「行ってらっしゃい!」

〇校舎の影

真「僕が信太朗くんに声をかけたのは、最近琴さんと付き合っている、という噂を耳にしたからです。ずばり、付き合っているんですか?」
信太郎「うん、そうだけど」
真「やっぱりそうなんですね、、、」
信太郎「それがどうしたの?」
真「信太郎くん、僕と勝負してください!」
信太郎「は?」
真「実は僕も琴さんのことが好きなんです。」
信太郎「えっ。うそでしょ」
真「本当です!だから、僕と勝負してください」
信太郎「え、なんでそうなんの?」
真「どうしても、何も、‟この勝負に僕が勝ったら、琴さんとは別れてもらいます”」
信太郎「なっ!そんなの俺に利点はないだろ」
真「あります。あなたが、勝ったら僕は何も口出ししませんし、琴さんには告白しません。」
信太郎「ふーん、ほんとに?」
真「僕、約束は守るタイプなので」
信太郎「いいだろう。その勝負受けて立つ!」

〇グラウンド テント下

信太郎が校舎の影から帰ってくる。
琴「しんちゃん、お帰り!何話してたの?」
信太郎「ん?真と勝負することになった。」
琴「そうなんだ!」
信太郎「俺が負けたら、琴と別れてだって」
琴「え!だ、大丈夫なの?」
信太郎「大丈夫だけど…」
琴「大丈夫だけど?」
信太郎「琴、俺が勝ったら、琴からキスして」
琴「へ?」
信太郎「だって、琴からキスされたことないじゃん」
琴「まあそうだけど…」
信太郎「お願い」
琴「くっ!わ、わかったよ…」
信太郎「本当!?やったー!」

〇グラウンド第一コース

勝負は百メートル走、パン食い競争、借り物競争の三本勝負。
信太郎「まずは、百メートル走だな」
真「絶対に負けませんよ」
信太郎「おう!」
琴「しんちゃーん!がんばってー!」
琴の応援に信太郎は片手を上げて返す。
真「羨ましいですね、、、」

〇グラウンド トラックの中

百メートル走は信太郎が勝ち、パン食い競争は真が勝った。
信太郎「あとちょいで勝てたのに…」
真「いい勝負でしたね」
信太郎「次で最後だな」
真「さぁ、どちらに勝利の女神は微笑むのでしょうか」
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