Lies and Truth
Ⅵ.『Vampire's love』

 瑞花と映画を観てから数日が経ち、浅桜くんも含めてみんなで遊ぶ約束をした日曜日が訪れた。

 窓の外では雪が降っている。積もってはいないけれど、この気温ならもしかして積もるかもしれない。靴を変えたほうが良さそうだ。

 浅桜くんとの予定が流れたクリスマスの日と同じコーデに身を包み、一応スノーブーツを履くと、それに合わせてコートだけ普段より厚手のものに変更した。

 今日は瑞花と皆渡くんもいるから、あのときほどの緊張はない。だからといって全然平気、いつも通り、とまでは言えないけれど。

 待ち合わせの駅前に着いたのは約束より三十分以上も前だった。

 当然まだ誰も来ていない。雪と寒さから逃げるように駅の構内へ入り、出入口が見渡せる柱にもたれかかると、スマホを取り出して浅桜くんとのメッセージ画面を開く。

『着いたよ』くらいは送ったほうがいいだろうか? でも待っていることを知らせたら気を遣わせてしまうかもしれない。それにひとりだけ張り切っているみたいで恥ずかしい。

 そう考えてメッセージアプリを閉じると、女性向けの小説投稿サイトを開いた。

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