Lies and Truth
桜吹雪が舞う中、お互いにプレゼントを交換する。包みを開けてみると、そこには純白の小さなバラが詰まっていた。
そして真ん中には淡いピンクの液体が詰まった瓶。
その瓶には小さな文字でROSARIUMと書かれている。
「優陽、これって……香水?」
「そうだよ。ほんとはあの日、緋莉に告白するつもりだったんだ。今さら言うのもなんだけど、緋莉にはなんとなくバラのイメージがあってさ。でもまさかあんなことになるなんて思わなかったから、つらいこと思い出させたらごめん」
「ううん、そんなことない。うれしい」
七歳の誕生日にはお母さんから、わたしが吸血鬼として覚醒し始めたときにはお父さんから、そして今日は愛する人からバラをもらった。わたしの運命はバラが導いてくれているのかもしれない。