Lies and Truth

「実はね、わたしも今日ここで渡したかったの。お父さんの前で……」


 香水に視線を落としたまま、優陽に伝える。


「俺達、同じこと考えてたんだね。こっちも開けていい?」

「もちろん」と、わたしは小さく頷いて返す。


 プレゼントの封を解いた優陽は、可笑しそうに小さく微笑んだ。


「これってもしかして、ルカさんのことを想って選んだんじゃないよね?」

「クリスマス前に買ったんだから、そんなわけないじゃん」


 と、返したものの、そう突っ込まれるだろうと予想していたわたしは、思わず噴き出して続けた。


「ちゃんと優陽だけのことを考えて選んだんだよー。でも今となってはお父さんへの当てつけでもあるかな」


 わざと明るく言ってみたものの、自分で投げた言葉のせいで、切なさが胸を締め付ける。


「そんなこと言っちゃ……ルカさんに悪いよ」


 優陽は遠い目をして、最後の場所を見つめていた。


「生きていてくれたら、お父さんにも渡せたのに……」


 一筋の涙がわたしの頬を伝う。喉の奥が熱くなってきて、鼻をすすった。

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