Triangle Love 7 ~ 揺れる心は夏の蝶 ~
館内を隅々まで周り、イルカショーも観たので、あたし達は水族館を出た。

そして、水族館に隣接するレストランに移動した。

明るい雰囲気のお店だった。

オシャレな模様が描かれている木製のテーブル席に案内された。

時刻は16時過ぎ。

昼ご飯にしては遅いし、夜ご飯にしては早い。

そのせいか、店内にお客さんはあまりいなかった。

水族館のお客さんはたくさんいるけど。

あたし達は昼ご飯を食べなかったので、お腹が空いている。

『この後はどうする?ここでご飯を食べた後。』

注文を済ませた後、あたしは何気なくツクシくんに尋ねた。

『解散でいいんじゃない?明日はね…。ほら、ミツバちゃんも忙しいだろうし。』

ツクシくんは寂しそうに答えた。

今のはあたしが迂闊だった。

隙あらば、あたしは彼を傷つけてしまう。

でも、同時に謝るチャンスが来た。

こういう空気にならないと、言い出しにくい。

『ツクシくん、聞いて。今まで本当にごめんね。最近ずっと、休み時間にあたしのトコ来てくれたでしょ?それなのにあたし…!』

『今日は謝るのナシって、最初に言ったよね?だからもう謝らないで。後、それは僕がやりたくてやってることだから。』

ツクシくんは少し怒ったように言った。

でも、表情は優しい。

いつもそうだ。

何度でも優しさをあたしに向けてくれる。

その優しさが痛くて、何度も逃げ出した。

もう逃げない。

『ありがと。そう言ってもらえて嬉しい。』

『今日はここで解散だけど、このデートの続きは正式な状態になってからしたい。』

『…うん。』

『ってことで、はい。これ。』

『ありがと…。って、何これ?』

なぜかあたしは、ツクシくんから封筒を渡された。

中身を確認すると、遊園地のチケットが入っていた。

明日行く遊園地とは別の施設のチケットだった。

『遊園地の思い出は1人分でいい。デートの続きはここ。僕を選んでくれたら、だけど。忘れないでね?』

『…うん。』

軽く頷いたけど、目は合わせられなかった。

ツクシくんとのデートが終了した。
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