Triangle Love 7 ~ 揺れる心は夏の蝶 ~
『ふうぅぅ…。』

『えっ、大丈夫?』

『そう見えないかもしれないけど。大丈夫。楽しんではいる…。』

ツクシくんと水族館に行った翌日。

学校はお休みで日曜日。

モトコちゃんからもらったチケットを使って、遊園地にやって来た。

今日一緒にいるのは、ヨウだ。

現在のヨウは、ジェットコースターに乗った直後で弱っている。

絶叫マシンが苦手ってことを、たった今初めて知った。

乗る前のヨウは、あんなに楽しそうだったのに。

好きだけど苦手ってことなのかな?

本人は楽しいと言っているから大丈夫だとは思うけど、心配だ。

『ほんとにー?楽しいって言うなら信じるけどさ。』

あたしはそう言って、ヨウの背中をさすった。

そして、ジェットコースター乗り場の近くにあったベンチに腰をかけた。

周りにもベンチが複数設置されていて、疲れた顔をした父親と思われる人達が座っている。

この喫煙所みたいな休憩所で、休んでいる高校生はあたし達だけだ。

『ごめんな。好きだし、楽しいんだけど。遠心力にやられた。』

ヨウは申し訳なさそうに言った。

謝る必要なんてないのに。

正直なところ、少し座りたいと思っていたから、休憩できるのはありがたい。

『全然、あたしもちょうど座りたかったんだ!せっかくだし、ちょっとだけ休憩していこうよ?』

『ありがとな。』

『いいって!飲み物買ってくる。何がいい?』

『アイスティー。ありがとう。』

『わかった。』

あたしは飲み物を買いに行く為に、ベンチから立ち上がった。
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