Triangle Love 7 ~ 揺れる心は夏の蝶 ~
[7]三葉
モトコちゃんと空き教室で話してから、数日が経過した木曜日。
その放課後。
あたしは、ヨウを校舎裏に呼び出した。
モトコちゃんいわく、『誰かを呼び出す時は校舎裏なんだよぉ!』ってことらしいので、その言葉に従った。
周りには人の気配が無いから、従って良かったって思う。
制服のスカートに付いているポケットの中に手を入れて、貰ったピアスに触れた。
見えなくても、クローバーの形をしていることが、触れただけでもなんとなく分かる。
時折り、冷たい風が吹きつけてきた。
でも、緊張のせいか寒さは感じなかった。
石を軽く蹴ったりしてしばらく待っていると、ヨウがやって来た。
『お待たせ。』
ヨウが静かな声で言った。
『うん。ありがと、来てくれて。』
あたしは答えた。
そして、大きく息を吸った。
吸い込んだ空気が冷たい。
ふと、太陽が沈みかけていることに気がついた。
もう夕方だからか、なんて余計なことを考えられる程には落ち着いてきた。
後は勇気を出すだけだった。
もう止まるつもりはない。
『俺を呼び出したってことは。答えが出たんだな。』
『…ヨウ。今までずっと、あたしに優しくしてくれてありがとう。辛い時、側に居てくれてありがとう。遊園地、楽しかったね。クローバーのピアスも大切にする。だからさ。これからもよろしくね?』
『そう…か。』
ここまでは、何とかヨウの方を向いて話すことができた。
苦しそうな表情をしたヨウが、あたしの目に映った。
このタイミングで、彼から目を逸らしてしまった。
勇気を最後まで…。
大切な人を傷つける勇気を…。
ポケットに入っているピアスを握りしめた後、あたしは話を続けた。
『でもそれは…。彼氏じゃない。友達として…ね。』
『…今度は本気みたいだな。』
『ごめん、ごめんね…?ずっと優しくしてくれたのに…。本当にごめん…!』
『…謝るなって。』
『…ごめんね。あたしのわがままが叶うなら…。これからも、ずっと仲良くしてくれると嬉しいです…!』
『…もちろんだ。前にも言ったけど、関係が変わってもミツバの味方だ。変わらない。これからもよろしくな。』
『ヨウ、ありがと…。』
『…。』
あたしはヨウを置いて、校舎裏から離れた。
その放課後。
あたしは、ヨウを校舎裏に呼び出した。
モトコちゃんいわく、『誰かを呼び出す時は校舎裏なんだよぉ!』ってことらしいので、その言葉に従った。
周りには人の気配が無いから、従って良かったって思う。
制服のスカートに付いているポケットの中に手を入れて、貰ったピアスに触れた。
見えなくても、クローバーの形をしていることが、触れただけでもなんとなく分かる。
時折り、冷たい風が吹きつけてきた。
でも、緊張のせいか寒さは感じなかった。
石を軽く蹴ったりしてしばらく待っていると、ヨウがやって来た。
『お待たせ。』
ヨウが静かな声で言った。
『うん。ありがと、来てくれて。』
あたしは答えた。
そして、大きく息を吸った。
吸い込んだ空気が冷たい。
ふと、太陽が沈みかけていることに気がついた。
もう夕方だからか、なんて余計なことを考えられる程には落ち着いてきた。
後は勇気を出すだけだった。
もう止まるつもりはない。
『俺を呼び出したってことは。答えが出たんだな。』
『…ヨウ。今までずっと、あたしに優しくしてくれてありがとう。辛い時、側に居てくれてありがとう。遊園地、楽しかったね。クローバーのピアスも大切にする。だからさ。これからもよろしくね?』
『そう…か。』
ここまでは、何とかヨウの方を向いて話すことができた。
苦しそうな表情をしたヨウが、あたしの目に映った。
このタイミングで、彼から目を逸らしてしまった。
勇気を最後まで…。
大切な人を傷つける勇気を…。
ポケットに入っているピアスを握りしめた後、あたしは話を続けた。
『でもそれは…。彼氏じゃない。友達として…ね。』
『…今度は本気みたいだな。』
『ごめん、ごめんね…?ずっと優しくしてくれたのに…。本当にごめん…!』
『…謝るなって。』
『…ごめんね。あたしのわがままが叶うなら…。これからも、ずっと仲良くしてくれると嬉しいです…!』
『…もちろんだ。前にも言ったけど、関係が変わってもミツバの味方だ。変わらない。これからもよろしくな。』
『ヨウ、ありがと…。』
『…。』
あたしはヨウを置いて、校舎裏から離れた。