Triangle Love 7 ~ 揺れる心は夏の蝶 ~
中に入ると、教室内から窓の外を眺めているツクシくんがいた。
『ミツバちゃん…。』
教室の扉を閉めると、ツクシくんは振り向いた。
あたし達は10秒程の間、見つめ合った。
『ごめんね、待たせちゃって。』
絡まる視線を振り切ったあたしはそう言って、ツクシくんがいる窓の辺りに近づき、彼の隣に立った。
この窓からは、学校の運動場が見えた。
陸上部や野球部の生徒達が活動をしている姿を確認することができる。
『…僕を呼び出したってことは、答えを言いにきたんだね。』
窓の外を眺めているあたしに、ツクシくんは言った。
その言葉に釣られて、あたしは彼の方を見た。
多分、あたしの緊張はピークに達していると思う。
それでも、もう止まれない。
気持ちを伝えるだけだ。
『…ツクシくん。あたしはあなたを何度も、何度も傷つけた。何回謝っても…足りないくらい。本当にごめんなさい。』
『謝まらないでよ!ミツバちゃんは何も悪いことしてないから。わざわざ謝罪をする為に僕を呼び出したの?それなら大丈夫だよ?』
『謝りたいだけじゃない。お礼も。これまでたくさん優しくしてくれてありがとう。いっぱい笑わせてくれて、喜ばせてくれて、ありがと!』
『そんなことは全然…。やりたかっただけだから。』
ツクシくんが照れながら笑った。
その様子を見て、嬉しいなって思った。
でもまだ、一番伝えたいことを言えていない。
満足してしまうには早い。
一呼吸置いてから、あたしは口を開いた。
『色々と考えたんだ。大切な人は何人かいるけど、恋愛的な意味でも求めてしまう相手は1人しかいなかった。』
『それって…。』
『その人はね、あたしのことをいつも笑顔にしてくれる人。そして、笑顔が素敵な人。傷つけ合うような事もしたけど…。そんなトコも含めて…。』
『…!』
一瞬、お互いに黙ってしまった。
お互いの吐息が放課後の音と混ざり合って、聞こえてくる。
ツクシくんは何も言わず、あたしのことを見つめている。
ここまで来たら、自然と気持ちが溢れた。
『大好きなんだ。あなたしかいない。だからね、ツクシくん…!』
『ミツバちゃん、まって!その先は僕から言う!』
慌てた様子のツクシくんが、あたしの言葉を遮った。
その勢いのせいか、そのまま近づいて来て、肩に手を添えられた。
ツクシくんの手から熱が伝わってくる。
『えっ。なんで?あたしが言うって!』
『僕はミツバちゃんが大好きで、大好きで、大好きで仕方がないです!大好きです!付き合ってください!』
あたしが言おうとした言葉を、ツクシくんが大きな声で言った。
しかも、早口で何度も言った。
どうしても先に言いたかったようだ。
『あーあ。先に言われちゃった。』
『あはは!やった!』
あたしが悔しがると、ツクシくんは無邪気に笑った。
この無邪気な笑顔こそ、あたしの大好きなツクシくんだ。
『これからよろしくね?』
『…でも、いいの?兄さんのことは。』
ツクシくんはあたしの肩から手を離した。
彼の無邪気な笑顔は、堅い表情に変わった。
この質問には、絶対に答えないといけない。
あたしは本心をそのまま言った。
『簡単に気持ちの整理はできないよ?でも、ヨウが大切な存在なのは変わらないし。ヨウもあたしの味方って言ってくれた。』
『…兄さんらしいね。』
『ヨウの言葉を信じてるし、あたしはもう迷わないし。』
『分かった。じゃ、気にしない。』
そう言ってツクシくんは、また笑顔を見せてくれた。
この空き教室には夕日が差し込んでいる。
ツクシくんが眩しいのは、夕日のせいじゃない。
『それにしても…。やっとだ!本当に嬉しいよ!ミツバちゃんと付き合えるなんて!夢じゃないよね?』
ツクシくんが喜びの声を上げている。
心の底から嬉しそうだ。
気のせいじゃないし、自惚れでも無さそうだ。
彼の様子を見ていると、あたしのことを本当に好きでいてくれているんだなって、実感できる。
『あたしも嬉しい。ツクシくんとこんな日を迎えられるなんて!すごーく、遠回りしたけどね…。』
『そうだね。なら、現実かどうかを確かめよっか!じゃあね、ミツバちゃん。新しいマジックをやります。目をつぶって?』
『ねぇ。そのマジックさ、マジでタネも仕掛けもないじゃんか!』
『…いくよ?』
ツクシくんは、あたし達の鼻と鼻がぶつかりそうな程の距離まで、近づいてきた。
そんなベタなことを言われると、この後の展開が分かってしまう。
だけど…。
もう、このキスには逆らえないよね?
『分かった。目、つぶるよ?』
『うん!』
『…んんんっ…あっ…んん!』
『ミツバちゃん…。』
教室の扉を閉めると、ツクシくんは振り向いた。
あたし達は10秒程の間、見つめ合った。
『ごめんね、待たせちゃって。』
絡まる視線を振り切ったあたしはそう言って、ツクシくんがいる窓の辺りに近づき、彼の隣に立った。
この窓からは、学校の運動場が見えた。
陸上部や野球部の生徒達が活動をしている姿を確認することができる。
『…僕を呼び出したってことは、答えを言いにきたんだね。』
窓の外を眺めているあたしに、ツクシくんは言った。
その言葉に釣られて、あたしは彼の方を見た。
多分、あたしの緊張はピークに達していると思う。
それでも、もう止まれない。
気持ちを伝えるだけだ。
『…ツクシくん。あたしはあなたを何度も、何度も傷つけた。何回謝っても…足りないくらい。本当にごめんなさい。』
『謝まらないでよ!ミツバちゃんは何も悪いことしてないから。わざわざ謝罪をする為に僕を呼び出したの?それなら大丈夫だよ?』
『謝りたいだけじゃない。お礼も。これまでたくさん優しくしてくれてありがとう。いっぱい笑わせてくれて、喜ばせてくれて、ありがと!』
『そんなことは全然…。やりたかっただけだから。』
ツクシくんが照れながら笑った。
その様子を見て、嬉しいなって思った。
でもまだ、一番伝えたいことを言えていない。
満足してしまうには早い。
一呼吸置いてから、あたしは口を開いた。
『色々と考えたんだ。大切な人は何人かいるけど、恋愛的な意味でも求めてしまう相手は1人しかいなかった。』
『それって…。』
『その人はね、あたしのことをいつも笑顔にしてくれる人。そして、笑顔が素敵な人。傷つけ合うような事もしたけど…。そんなトコも含めて…。』
『…!』
一瞬、お互いに黙ってしまった。
お互いの吐息が放課後の音と混ざり合って、聞こえてくる。
ツクシくんは何も言わず、あたしのことを見つめている。
ここまで来たら、自然と気持ちが溢れた。
『大好きなんだ。あなたしかいない。だからね、ツクシくん…!』
『ミツバちゃん、まって!その先は僕から言う!』
慌てた様子のツクシくんが、あたしの言葉を遮った。
その勢いのせいか、そのまま近づいて来て、肩に手を添えられた。
ツクシくんの手から熱が伝わってくる。
『えっ。なんで?あたしが言うって!』
『僕はミツバちゃんが大好きで、大好きで、大好きで仕方がないです!大好きです!付き合ってください!』
あたしが言おうとした言葉を、ツクシくんが大きな声で言った。
しかも、早口で何度も言った。
どうしても先に言いたかったようだ。
『あーあ。先に言われちゃった。』
『あはは!やった!』
あたしが悔しがると、ツクシくんは無邪気に笑った。
この無邪気な笑顔こそ、あたしの大好きなツクシくんだ。
『これからよろしくね?』
『…でも、いいの?兄さんのことは。』
ツクシくんはあたしの肩から手を離した。
彼の無邪気な笑顔は、堅い表情に変わった。
この質問には、絶対に答えないといけない。
あたしは本心をそのまま言った。
『簡単に気持ちの整理はできないよ?でも、ヨウが大切な存在なのは変わらないし。ヨウもあたしの味方って言ってくれた。』
『…兄さんらしいね。』
『ヨウの言葉を信じてるし、あたしはもう迷わないし。』
『分かった。じゃ、気にしない。』
そう言ってツクシくんは、また笑顔を見せてくれた。
この空き教室には夕日が差し込んでいる。
ツクシくんが眩しいのは、夕日のせいじゃない。
『それにしても…。やっとだ!本当に嬉しいよ!ミツバちゃんと付き合えるなんて!夢じゃないよね?』
ツクシくんが喜びの声を上げている。
心の底から嬉しそうだ。
気のせいじゃないし、自惚れでも無さそうだ。
彼の様子を見ていると、あたしのことを本当に好きでいてくれているんだなって、実感できる。
『あたしも嬉しい。ツクシくんとこんな日を迎えられるなんて!すごーく、遠回りしたけどね…。』
『そうだね。なら、現実かどうかを確かめよっか!じゃあね、ミツバちゃん。新しいマジックをやります。目をつぶって?』
『ねぇ。そのマジックさ、マジでタネも仕掛けもないじゃんか!』
『…いくよ?』
ツクシくんは、あたし達の鼻と鼻がぶつかりそうな程の距離まで、近づいてきた。
そんなベタなことを言われると、この後の展開が分かってしまう。
だけど…。
もう、このキスには逆らえないよね?
『分かった。目、つぶるよ?』
『うん!』
『…んんんっ…あっ…んん!』