魔女の瞳Ⅳ
第二章

現実

桜花のアパート。

全身包帯でベッドに寝かされた彼女の姿を見て、私と修内太は言葉を失う。

とにかく、すぐに治癒魔術で傷の手当を…。

「無駄だ」

ジルコーが言った。

「お嬢ちゃんの傷は、強い魔力反発作用を持っている。自然治癒に頼るしかねぇ」

「魔力反発?」

私はジルコーの顔を見た。

…確かに、そういう技術がない訳ではない。

『鏡壁』の魔術(リフレクト)がそれに当たり、あらゆる魔術を反射、相手に撃ち返す効果を持つ。

しかし、それを傷に付加させるなんて聞いた事がない。

「一体何があったんだ、ジルコー。桜花さんが何でこんな…」

修内太の言葉に。

「数日前の話だ」

ジルコーは静かに語り始めた。

「俺達の所に、男がやってきた」


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