魔女の瞳Ⅳ
第四章

夢?

その毒牙は、当然彼女にも向けられていた。

「ぷはっ!」

水槽から顔を出し、彼女は苦しげに息を吐く。

天羽菊花。

天羽家次女。

死体を操り、不死者(アンデッド)と化す死霊魔術(ネクロマンシー)の使い手。

故に、ホプキンスにとっては恰好の審問対象だった。

「死者を操り酷使するとは…忌まわしい魔女には似合いだな。ええ?」

髪の毛を掴まれ、強引に水槽の中に頭を押し込まれる。

呼吸も整わないうちに水責めに遭い、菊花はもがいた。

後ろ手に縛られているお陰で、踏ん張りが利かない。

されるがままにホプキンスに責められ、ジタバタと暴れるしかない。

もうもたない。

窒息する。

その寸前で。

「がはっ!」

一瞬だけ水槽から顔を上げられ。

「…!!!!」

再び水槽に顔を押し込まれる。

息を吸い切らないうちの水責め。

肺の中には酸素が殆ど入っていない。

地獄だった。

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