魔女の瞳Ⅳ
魔力のこもった咆哮。

これを浴びせる事で、魂さえも四散させる。

悪霊や仮初めの肉体を持つ相手に有効な特殊攻撃。

しかし。

「侍に同じ攻撃が二度通用すると思うな」

時貞は攻城刀を振るう!

「ぬんっっっっ!」

大上段から繰り出される渾身の一撃!

その刃は何もない空を斬る。

いや、違う。

斬ったのは。

「!?」

ジルコーの咆哮。

目に見えない、形さえ見えない、空気を震わす咆哮、魂魄破壊の声を、時貞は神速の振り下ろしで断ったのだ。

「我が攻城刀の前に立ちはだかるものは、ただ両断するのみ…!」


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