魔女の瞳Ⅳ
時貞の横薙ぎ!

それに対しジルコーはその鋭い牙で食らいつこうとする!

牙と刃。

その二つが両者中央で激突し。

「ぬぐっ!」

「ぐおっ!」

その衝撃で両者は壁まで吹き飛ばされ、叩きつけられた。

あの時貞の剛剣を牙で受け止めたジルコーもさる事ながら、ジルコーの牙に刃を当てていった時貞の瞬時の判断も瞠目に値する。

…両者は再び身を起こし。

「がぁっ!」

若干ジルコーの方が速かった。

まだ立ち上がれていない時貞の肩口に、その鋭い牙を食い込ませる!

迸る鮮血、食いちぎられる右肩。

時貞の顔が苦痛に歪む。

しかし。

「肉を切らせて…」

時貞は攻城刀を逆手に握り。

「骨を断つ!」

ジルコーの体を貫いた!

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