魔女の瞳Ⅳ
完全に貫通した攻城刀。

高い生命力を持つ人狼のジルコーでなければ、即死の傷である。

「…く…やられた…」

ジルコーがうめく。

「武士道とは死ぬ事と見つけたり…て奴か…?」

「何を…仕留め切れなかったのだ…貴様ならまだトドメを刺すには十分な余力があろう…」

血まみれのまま、両者は笑う。

痛み分け。

どうやらこの戦いの結末は、それで手を打とうという事になったらしい。

「さて…四門」

ジルコーが私の顔を見る。

「気が済んだ…俺と時貞の傷を治癒魔術で治してくれ」

「……」










桜花、蘭花、菊花。

こいつらと、よく一緒に暮らしていられるわね…。

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