魔女の瞳Ⅳ
悪魔と契約しただけで、ホプキンス自身が悪魔と同格の力を得た訳ではない。

だがその力は、魔力を操る人間程度では太刀打ちできないほど強力なものだった。

時代時代でその邪悪な力を行使しながら、ホプキンスは歴史の裏で暗躍しつつ、その身を深い闇に沈める。

あくまでその目的は『魔女を狩る事』。

そして『自らを失墜させた人間どもを混乱させる事』。

所詮は金儲けで魔女狩りをしていた男だ。

そこに世を救うなどという崇高な使命は存在しなかった。

やがて現代。

彼は小さな東洋の島国に魔女が集う街がある事を知る。

しかもその街に集っているのは、かの有名な魔道の名門、デッドゲイトの血族達。

魔女狩りを生業とする者にとって、これ以上の獲物があろうか。

ホプキンスは行動を開始する。

既に人間であった頃の目的とはかけ離れている。

魔女を嬲る事。

それは彼にとって愉悦でしかなかった。

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