魔女の瞳Ⅳ
さて。

そんなホプキンスが持つ力はただ一つ。

『空想連結』という。

魔道の中では魔法に分類される。

デッドゲイトの定義でいくなら、異世界に干渉する魔道技術。

己の心象世界と現実世界を、魔力によって繋ぐ。

高度な技術によって、現実と空想の世界の隔たりを曖昧にするのだ。

総じて己の空想というのは、本人の都合のいいように作られているものである。

たとえばその己の空想の中に他者が入ってきたらどうなるか。

どんなに高い魔力を持つ者でも、そこは己の都合のいい世界なのだ。

魔力は封じられ、魔術は行使不可能となり、その世界ではただの無力な存在と成り下がる。

それが人形師だろうと、死霊魔女であろうともだ。

さすがに上位悪魔と契約した事で得た力。

反則とも言えるほどの力を持っている。

恐ろしいのは、その心象世界で受けた傷は現実にも残る事。

そしてその世界で『魔術、魔力を封じられた事で受けた傷』は、現実でも魔術を受け付けないのだ。

桜花達の傷が治癒魔術を受け付けなかったのは、そういう理由からである。

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