魔女の瞳Ⅳ
『魔術を行使する』

ただその事のみに特化した金色の瞳が、空間の歪みを逸早く見抜く。

「そこよ」

私は時貞の身に魔法を施す。

『空間破壊』の魔法。

この現実世界と異世界の壁をも破る力を付加させる高度な魔法だ。

その力を得て。

「参る!」

攻城刀を召喚させた時貞が、私の指定した空間の綻びを一刀両断した!

「我が攻城刀の前に立ちはだかるものは、ただ両断するのみ…!」

時貞の口上と共に。

「ぬぅっ!?」

不自然な空間の割れ目。

そこから貴族風の出で立ちの男と、全身に酷い傷を負った全裸の少年が転がり落ちる。

修内太だ。

「修内太!」

私は彼に駆け寄る。

…直視するのも憚られるほどの拷問による傷だった。

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