魔女の瞳Ⅳ
「こけおどしね」

長い黒髪を片手で払い、私は不敵に笑った。

「そんな姿形で脅しをかける辺り、貴方に余裕がない証拠よ。違って?マシュー・ホプキンス」

「…!」

ホプキンスは黙る。

そうだ。

彼から感じる魔力でわかる。

空想連結は高度な魔法ゆえ、相当な魔力を消費する。

桜花、蘭花、菊花、修内太。

短期間でこの四人に行使した事で、ホプキンスにはその他の魔術を行使する魔力など残っていない筈だ。

そもそも彼は、己の空想連結のカラクリが見破られる事など頭になかったに違いない。

それ故に、考え無しに空想連結を連発してしまった。

「人間上がりの三流悪魔に使いこなせるほど、空想連結は容易な魔法じゃないわ…墓穴を掘ったわね、魔女狩り将軍」


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