魔女の瞳Ⅳ
最終章

現実

「        !」

一番にジルコーと時貞に『強化』の魔術を施す。

そして私自身にも。

相手は人間上がりとはいえ悪魔だ。

生身で対抗できるほど弱くはあるまい。

そうした上で。

「お嬢ちゃんに傷つけた分…」

疾風もかくやと動きで。

「てめぇに代価を支払ってもらうぜ!」

ジルコーがホプキンスとの間合いを詰めた!

左右の鋭い爪での連続攻撃!

確実にホプキンスの体に傷をつける。

だが、それだけだ。

生命力の高さでは、悪魔は人間、そして人狼さえもしのぐ。

この程度の攻撃で怯むほど、彼らの能力は低くはない。

「失せろ、獣人風情が」

大きく振り上げた拳をジルコーに振り下ろし!

「油断するな、人狼!」

その拳は、刃幅の広い時貞の攻城刀で受け止められた。

< 61 / 71 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop