魔女の瞳Ⅳ
時貞とジルコー。

恐らく魔道の世界でも、近接戦闘では1、2を争う戦闘力だろう。

だがその二人を相手にしても。

「近寄るな、下等の魔物どもが!」

ホプキンスはたやすく蹴散らす!

これが、悪魔。

魔道の世界の頂点に君臨する、神にも匹敵する究極の邪悪…!

私達魔女を配下とする、とまで語り継がれていた絶対悪。

成程、人間達が恐れ、何かと形容するのも頷ける。

しかし。

「生憎と」

私はホプキンスの前に歩み出た。

「私は悪魔の手先になった覚えも、配下になった覚えもないのよね」

「フン…」

下卑た笑みを浮かべ、ホプキンスが私を見下ろす。

「覚えがあろうとなかろうと、所詮魔女などこの世のどこにも安息の地など許されぬ鼻つまみ者…教会に異端視され、人間に忌み嫌われ、居場所を持たぬ蛇蝎の如き存在だ」

「言ってくれるじゃない」

私はホプキンスをキッと睨んだ。

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