しぃぴぃ~彼は年上のCPが好き?~
コト。

「はい。どうぞ。お水でごめんね。」

メイクルームで、青木さんが、やっと泣き止んだあたしに飲み物をくれた。

「店長にはさ、観月さんはちょっと具合が優れないみたいだから、1時間仕事に入るのを送らせてもらうよう頼んどいたから。気にせず休みなよ。」

あたしは、泣き腫らした目で、青木さんの顔を見た。

「ありがとう。」

……恥ずかしい。

バイトに来ておいて、いきなり泣き出すなんて。

でも、その理由を青木さんは聞いてこない。

あまり人に言いたくないから、それは有難かった。

「目と鼻が赤いね。私のファンデ貸すから、それで隠しなよ。ね?」

そう言って、彼女はメイク道具が入ったポーチを取りに行ってくれた。

……あたし、人に恵まれてるなぁ。

そう思った。

< 16 / 65 >

この作品をシェア

pagetop