しぃぴぃ~彼は年上のCPが好き?~

4.略称

熱い日差しが部屋に注ぎ込まれる。

ジリジリ、ジリジリとセミの声が聞こえる。

あの失恋気分を味わった日から1ヶ月が経って、高校は夏休みに入っていた。

あたしは、ベッドから半分起き上がり、充電器に繋いだスマートフォンをチラリと見た。

加村さんの好きな人が、ニイバシアリアって人だって知ってから、アレで随分と調べた。

1つ目は、彼が似てると言ってた、アリアなんたらって言うテニスプレーヤーのこと。

(何だか、写真で見ても、オーラの出てる人だったなぁ。流石、テニスの大会で賞を取りまくってる有名人……。)

スポーツをしてるだけあって、体格が良く、肌はこんがり焼けていた。

あたしは、

むに。

と、自分の二の腕を指でつまんでみる。

(手足の細さなら、勝てるかもなぁ。)

なんて、馬鹿なことを考えてしまう。

そして、もう1つ。臨床心理士ってものも、ネットで調べてみた。

「『臨床心理士とは、臨床心理学を基にして、クライアントが持つ心の問題を、援助、解決することの手助けをしたり、心理学的研究に貢献する専門家のこと。また、その資格である。』っと。」

(??)

自分で読み上げてみたけど、意味がよく分からない。

(加村さん、「つまりは、カウンセラーのことだ」って言ってたなぁ……。週一に高校の保健室に来る、悩みの相談に乗ってくれる人のことかな?)

指で画面をスライドさせて、続きを読んでみる。


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