しぃぴぃ~彼は年上のCPが好き?~
「はい!いらっしゃいませ!何でしょう!?」

あたしは、営業スマイルを作り、女性に顔を向けた。

「声、大き過ぎるわよ!お店の外まで響いてたわ。いやーねー!」

常連のお客さんだ。クレームをつけられて、あたしはムッとした。

「あはは~。すみません。」

口ではそう言いながら、内心では

(良いじゃん、元気があった方が、お店が活気づいて。)

と、モヤモヤと思う。


「お客様、本日はどのようなものをお探しでしょうか?」

苛立ちが表情に出やすいあたしは、なるべく顔をしかめないようにしながら、話題を変えた。

「あなたじゃないのよ!用があるのは!ほら、いつも眼鏡のお兄ちゃんいるじゃない?あの子連れて来て頂戴。」

「あ、はい。」

もー、本当感じ悪いな、このおばさん。

クレームの次は、「用が無い」だもんなあ。

「分かりました。只今、呼んで参りますので……。」

嫌悪の念を抱きながら、あたしはその女性に背を向け、「眼鏡のお兄ちゃん」と呼ばれたスタッフを呼びに行こうとした。

すると。

「ミヅキさん。」

と言う声が聞こえ、若い男性店員スッとが私の側に現れた。


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