しぃぴぃ~彼は年上のCPが好き?~

8.揺れる心

ヴゥー、ヴゥー

ヴゥー、ヴゥー。

机の上の携帯電話が、バイブ音を立てた。

ディスプレイを見ると、あたしは飛び上がった。

(!!)

「加村さんだ!」

ドキドキしながら携帯をジッと見つめる。

(加村さんの方から電話掛けてくるの、初めてだ。)

震える手で、「通話」をスライドさせた。

「もしもし、観月です。」

「ミヅキ……。リホナさん?」

「!?」

(だ…誰!?加村さんの携帯から、男の人の声が…?)

「あの、ミツキですけど?どなたですか……?」

「大変だ!加村が倒れた!今、相当ヤバい状態で……!早く、コッチに来てくれないか!?」

「えっ!?」

―加村さんが倒れた―

―相当ヤバい状態―

頭の中で、二つの文章だけが、グルグルと回り続けた。

『ヤバい』って、何!?

もしかして命に……!?

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