しぃぴぃ~彼は年上のCPが好き?~
「最近どう?仕事には慣れた?」

新作の秋物の服を眺めながら、キャシーは亜犁安に聞いた。

「ええ。もう、3年目だからかしら。最近仕事が更に楽しくなってきたの。」

微笑みながら、亜犁安は答えた。

「アリーだったら、クライエントからモテモテなんじゃない?美人だし、優しいし。」

「そんなこと無いわよ。」

少し困った顔をして、亜犁安は言った。

「えー?あ、ほら!前、言ってた男の子は、どう!?」

キャシーは、ビー玉のように綺麗な瞳を以って、大きな声で質問した。

「守秘義務があるから、あまり言えないのよ。あなたも、知っているでしょう?」

「声のトーンを落としてね。」と、小声で注意しながら、亜犁安は返答した。

キャシーも、亜犁安と同じく臨床心理士なのだ。

「でも、まあ、例の『転移』は、落ち着いたわ。最近、穏やかな感じ。」

「そう。良かったね!」

キャシーは、声が大きくならないように気をつけながら、相槌を打った。

「良過ぎるくらいよ……。」

亜犁安は、遠い目をして、呟いた。

「ん?何か言った?」

服選びに夢中になっていたキャシーは、顔をこちらに向けて、聞き直した。

「ううん。何でもない。」

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