しぃぴぃ~彼は年上のCPが好き?~

11.カノジョとオトモダチ

「はい。」

コト……と、白い壁で統一された部屋の中で、紙コップをテーブルの上に置く小さな音だけが響いた。

室内には、さっきあたしが告白した男性。

そして、白衣を着た女性が、心配そうにあたしを見ていた。

あたしに、紙コップを差し出してくれたのは、この人だ。

冷房の効いた部屋で、ホワホワと湯気が立ち上り、紙コップの中には温かいお茶が注がれていることが分かる。

女性の名前は、ネームプレートですぐに分かった。

新橋亜犁安さん。

加村さんのカノジョ。

彼女に似ていると言われた、スポーツ選手のアリアなんたらを、写真で見ていたので、大体は想像がついていたのだが、本当に綺麗な女性だった。

ただ、体型は、アリア選手と違って、華奢な印象を与える。

「落ち着いたかしら。悠輝くんのお友達なんですってね。」

温かいお茶を一口含んで、あたしはフーッと息をついた。

少し落ち着いた。

だけど、心の中はモヤモヤのままだった。


ーオトモダチー


「……おめでとうございます。」

加村さんと、ニイバシ先生は、晴れて両想いになった。

あたしは、悔しくて悔しくて堪らなかったけど、目の前の女性のほんわかとした優しいオーラに、不思議と嫌悪感は沸いてこなかった。

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