しぃぴぃ~彼は年上のCPが好き?~
「……………。」
加村さんは、あたしの顔を見て、呆気にとられていた。
(やっば!強く言い過ぎたかな!?)
「フッ……。」
「え?」
「あはははっ。」
加村さんが、声を押さえながらも、大笑いする。
「あは……。分かっ、分かった。」
笑いを堪える。
「ゴメンな、ミツキちゃん。」
そして、加村さんは、ぽんっと、右手を私の頭に置いた。
あたしは、思わずかあああっと、顔が赤くなる。
ムキになり過ぎたのが恥ずかしいのか、加村さんが急に優しくなったことが嬉しかったのか。
頭がぼーっとして、考えられない。
それと、彼のあの笑顔。
(あぁいうトコ、好きだなぁ。)
バイト中なのに、物思いにふけってしまう。
仕事に関して後輩に厳しいけど、ちゃんと自分にも厳しいし…。
あたしが怒っても、笑って許してくれる…。
あたしは、会える度、会える度に、加村さんのことを好きになっていった…。
けど。
あたしが、加村さんを大好きなように、彼にも大切な人が居たんだ。