「役立たず聖女」だからと捨てられた私を拾って溺愛し大切にしてくれたのは、大国の冷酷非情な竜帝でした~真の聖女の加護の力が失われたと気がついても手遅れですし、助けるつもりはありません~
竜帝への捧げもの
「ナオ・バトーニ公爵令嬢、おまえを王妃候補から外す。おまえは、姉に代わって隣国の竜帝に嫁ぐんだ。どうせここにいたって役立たずなんだし、王妃にするつもりもまったくないからな。おれと違って、竜帝は醜く意地悪で乱暴だそうだ。まっ、食われることだけはないだろう。言っておくが、おまえは捧げものだ。捧げものらしく振る舞え。いいな?」
新国王アデルモ・ベルターニは、謁見の間で宣言した。
多くの廷臣や貴族たちがいる前で。
その中には、当然両親や姉もいる。
バトーニ公爵家は、聖女の力を受け継ぐ家系である。
その為、代々の当主は女子をもうける必要があり、その為には正妻だけでなく妾を囲うことを強いられる。
わたしは、妾の子である。
姉は正妻の子。どこにでもあるように、わたしはただ聖女になる為にだけ生まれたようなもの。
そこに愛などなにもない。
新国王アデルモ・ベルターニは、謁見の間で宣言した。
多くの廷臣や貴族たちがいる前で。
その中には、当然両親や姉もいる。
バトーニ公爵家は、聖女の力を受け継ぐ家系である。
その為、代々の当主は女子をもうける必要があり、その為には正妻だけでなく妾を囲うことを強いられる。
わたしは、妾の子である。
姉は正妻の子。どこにでもあるように、わたしはただ聖女になる為にだけ生まれたようなもの。
そこに愛などなにもない。
< 1 / 175 >