「役立たず聖女」だからと捨てられた私を拾って溺愛し大切にしてくれたのは、大国の冷酷非情な竜帝でした~真の聖女の加護の力が失われたと気がついても手遅れですし、助けるつもりはありません~
「それから、不甲斐ない外交ばかりするからだ」
その嫌味は、同じく居並んでいる外交官たちに向けられたもの。
「聖女の一人でもくれてやれば、おとなしく通過するだろう。ったく、災厄のようなものだな」
彼は、玉座のひじ掛けを殴りつけた。
大理石で出来ているそれは、彼の拳にかなりの衝撃をあたえたらしい。
美貌の眉間に皺が寄った。
ざまぁみろ、よね?
心の中で舌を出しつつ、恭しく頭を下げた。
すべてを了承する意味で。
その嫌味は、同じく居並んでいる外交官たちに向けられたもの。
「聖女の一人でもくれてやれば、おとなしく通過するだろう。ったく、災厄のようなものだな」
彼は、玉座のひじ掛けを殴りつけた。
大理石で出来ているそれは、彼の拳にかなりの衝撃をあたえたらしい。
美貌の眉間に皺が寄った。
ざまぁみろ、よね?
心の中で舌を出しつつ、恭しく頭を下げた。
すべてを了承する意味で。