「役立たず聖女」だからと捨てられた私を拾って溺愛し大切にしてくれたのは、大国の冷酷非情な竜帝でした~真の聖女の加護の力が失われたと気がついても手遅れですし、助けるつもりはありません~
 気の多いデボラが、一夜の火遊びをしたのである。

 その相手というのが、かくいうジルドである。

 ジルドがどんないい男かは知らないけれど、フランコと無理矢理婚約をしておきながらジルドといい仲になるなんて、気が知れないわね。

 宰相は、それもあってジルドをますます押すようになったらしい。

 宰相自身も娘をフランコとくっつけようとしていたのに、何をかんがえているのかしらね。
 まぁ、子も子なら親も親ってところかしら。

 いずれにせよ、フランコにとってはいい理由になったというわけね。

 そのデボラが、わたしに牙を剥こうとしている。

 それでもやはり、行かなければ。

 フィオレたちの反対を押し切り、お茶会に行くことにした。
< 66 / 175 >

この作品をシェア

pagetop