「役立たず聖女」だからと捨てられた私を拾って溺愛し大切にしてくれたのは、大国の冷酷非情な竜帝でした~真の聖女の加護の力が失われたと気がついても手遅れですし、助けるつもりはありません~
「ナオ、わたしの誕生日を祝うパーティーに招待してあげるから来なさいよ」

 彼女は、そう言い捨てるとさっさと去ってしまった。

「デボラ様」
「デボラ様っ」

 取り巻きたちが慌てて席を立って追いかける。

 東屋が静かになってしまった。

 いえ、訂正。

 エルマ・ボルディーガの笑い声がきこえてくる。
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