「役立たず聖女」だからと捨てられた私を拾って溺愛し大切にしてくれたのは、大国の冷酷非情な竜帝でした~真の聖女の加護の力が失われたと気がついても手遅れですし、助けるつもりはありません~

食事

 フィオレは、大いに驚いた。
 彼女自身は、他の使用人たちといっしょに厨房の隣にある使用人用の食堂を使っているらしい。

 わたしもそこで一緒に食べたい旨を伝えると、叱られてしまった。

 だから、正直に話をした。

 すると、彼女は侍女長のアーダに話をしてくれた。そして、アーダから執事長のジェラルドに話がいってしまった。

 やはり、ダメだと言われた。だけど、それでもねばった。

 いいえ。ワガママを言った。わたしは、この国の人ではないので地位や身分がない。そんな小理屈を平気で述べた。

「ナオ様は、陛下の貴賓です」

 彼らは、取り付く島もない。

 が、結局折れた。

 ジェラルドやアーダたちが、である。
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