揺れる瞳に恋をして
「やだ、だって…な、つきは!」
「私と結婚するって…言ったもん…ッ」
昔の約束を引っ張りだしてくる
そのくらい
余裕が無い
そんな約束
夏希は忘れてるに決まってる
「……そうだっけ?」
「ううぅ〜〜…!!」
我慢しきれず
その場でしゃがみこむ私
「ちー、」
近寄り、手を伸ばす夏希
パシッ
その手を振り払う
私
「もう…いい…ッ、あっち、いって!」
「ちー…」
「あっち行って!夏希なんか知らない!!」
「…」
ゆっくり
無言で
教室を出る夏希
広い教室に
1人
私の押し殺す泣き声だけが
響くーー。