揺れる瞳に恋をして
授業をサボってしまった

目がジンジンと痛む

キーンコーンカーンコーン
授業が終わる合図が鳴る

「…もどろう」

鉛のように重くなった足を
ズリズリと引きずるように
足を進め
教室に戻る

「麻耶…」

「千春!どこ行ってたのよ…!」

心配そうに
慌てて教室から出てくる麻耶に
鉢合わせた

「うぅ〜っ…夏希、付き合ってるんだって」

「千春…」

「若松さんとぉっ…」

ようやく止まったと思った
涙が

また溢れだしてくる

「よしよし…」

私を抱きしめ
慰める麻耶




遠くからその姿を見つめる

夏希



「ちー…」

< 14 / 154 >

この作品をシェア

pagetop