揺れる瞳に恋をして

「ちー」

学校で

夏希から、私に
話しかけてくるなんて


いつぶりだろう

びっくりしすぎて

返事が出来なかった

「ちー?」


「えっ、あ、何?」

「母さんたち、また旅行に行くって」

「え?また?なんか早くない?」

「父さんが会社で温泉ペアチケットが当たったらしい」

「おお、また当てたの…凄いね」

夏希のお父さんはくじ運がとても強く

いつも旅行等を何かしら当てて

うちの親達と一緒に行く

そんなに会社を休んで
大丈夫なのか
うちの親達は

あ、でも…もうすぐ連休か
その日に行くのかな

じゃあ、2泊3日くらい…?


「ん、だから…」

「でも、もう夏希の家には行けないでしょ?」


だって

若松さんがいるし…


「…」

彼女がいるのに
家に行くのは申し訳ない
ましてや

ご飯作ったり…
朝起こしたりなんか

彼女がいるのに
出来ないよ



「問題ない」


「…え?」

「若松とはもうすぐ別れるから」

「…え?」


え?

どういうこと

うまくいってなかったってこと?


< 26 / 154 >

この作品をシェア

pagetop