揺れる瞳に恋をして
放課後

何故か私は
若松さんに呼び出された

行かなくていい
という麻耶


「そんな訳にも行かないよ、大丈夫」


体育館裏

人がいない場所を狙って
若松と2人きり



「なんなの…」


若松さんが口を開く

「あなた、夏希のなんなの?」


「え…?」

夏希の話だろうな、とは思ったけど

なんで私と夏希の関係を聞いてくるんだろう


「毎日、一緒にいたのに…」

「沢山好きだって伝えたし」

「夏希は私を好きになってくれると思ったのに」

「…ちっとも見てくれなかった」


どういう事だろう…

夏希と、若松さんは

付き合っていて…

でも、夏希は

若松が好きじゃ無かった…の?


「…別れたから」

「え、」

「元々、3ヶ月だけだったの」

「私が、夏希を脅して…付き合ってもらってたの」


…え?

夏希を脅してた?

「…千春さんの着替えてる写真」

「これ、ばらまいてやるって…言って…」


「え、え、いつ撮ったの、こんなの」

「体育…合同だから、更衣室で」

「え…」

「こうしないと、夏希、付き合ってくれないと思ったから」

これは…
どうしたら…

「でも、3ヶ月一緒にいたら好きになってくれると思ったの…でも、夏希は3ヶ月の間私に好きなんて一言も言わなかったし、休みの日も私の家に来ても何もしないで携帯触ってるだけだったし…何も無かったの…」

「3ヶ月付き合ってくれたら、写真を消すって条件で、その3ヶ月の間千春さんと一緒にいたら、すぐばらまくって言って…ごめんなさい、本当にごめんなさい」


そうだったんだ…

夏希は
私を守ろうとしてくれてたのね

それならそうって
言ってくれたら良かったのに


私を守るために
付き合ってるって言ってくれたら

こんな苦しい思いしなくて良かったのに

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