揺れる瞳に恋をして
「そうだったんだ…」

でも

それなら…

「なんで私に話したの?」

またその写真で
夏希を揺することだって出来ただろうに

「…夏希は私を好きになることはないから」

そう言って目の前で
写真を消去した

「本当にごめんなさい」


そう言って頭を下げる若松さんは
なんだか
本当に悪い人には思えなくて

「…若松さん」


許すことしか
出来ない

「気にしないで」

「…え?」

まさか許してもらえると思っていなかった若松さんは

「…なんで」

すごく驚いた顔で私を見ていた

「いいの、私…若松さんが悪い人には見えないから」

「でも」

「めちゃくちゃボコボコにして二度とその面見せんなって言って欲しいなら言うけど」

「…」

「でも、私はそれを望んでないから、いいの」

「…千春さん」


< 28 / 154 >

この作品をシェア

pagetop