揺れる瞳に恋をして
「若松さん…私は夏希のなんでもないよ」

「え?」

「ただの、幼なじみ」


そう
ただの
幼なじみ

好きって伝えても
受け取って貰えない

彼女にはずっと慣れない

「…だから、気にしないで」

「私は夏希の彼女にはなれないの」

そう伝えて

家に帰ろうとした


「…まって」

若松が私を呼び止める


「そんな訳…ない」

「…」

「夏希くん、あなたに手を出したら…許さないって、私に凄く怒ってた…そんなに大切な人だって…私、知らなくて」

「…大事な幼なじみ」

「ただの、仲のいい幼なじみ」


そういって

私はその場を立ち去った










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