揺れる瞳に恋をして
「俺、委員会あるから先いく」

そういって夏希は
さっきの姿とはまた変わりタッタッタッと小走りで進み始めた

「走ると危ないよ」

「んーー」


パタパタとスリッパの音が廊下に響く

「千春は、凄いわね」

「何が?」

「夏希の面倒見れるのは千春くらいよ」

「そんな事ないよ、夏希は結構やる事やるよ」

「…足元見てみなさいよ」

そういって
目線を足元に向けると


「……なんで?」


散らばった教科書が落ちている

教科書には

‘2-A 遠藤夏希’

そう記されていた
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