揺れる瞳に恋をして
「熱、ないよ」

そんなわけない!
こんなに顔も赤くて
湯気が出そうなくらいポカポカしてるのに

「ダメ、かえって体温計らないと」

「…」

「夏希は小さい頃体弱かったんだから」

夏希はすぐに熱を出す子供だった
季節の変わり目とか
特に体調が崩しやすい

「ほら、熱計って」

「…ん」

ピピッ

「どれどれ〜」

「ちー」

グイッと夏希のそばに引っ張られる

「わっ、」


ドサッとソファに座る夏希の上に

「ちー…」

「えっ…なつ…き?」


力強く
抱きしめられる

「どうしたの…?」

「…」





< 40 / 154 >

この作品をシェア

pagetop