世界で一番いい女
戸亀羽生。
超正確マッチングシステム、デステニーで選ばれた俺の運命の相手。
入試でクソみてぇな点をとって俺の足を引っ張るわ、ぜんぜん俺の好みじゃないちんちくりんだわ。
最初の印象は、正直言って最悪だった。
インチキシステムの開発なんて、世界の大企業様も大したことねーんだなってがっかりした。
俺は勝ち組になるためにこの学園に来たのにって。
だけど、一緒にいたらどんどん成長していったっつーか。
意外と根はポジティブなやつだったつーか。
『この学校で楽しく過ごす努力をしてみない……?』
トップの背中どころか、影すらも見えねー順位で萎えてた1年の2学期。
俺に前向きな提案をする羽生に、面食らった。
『岩清水くんが嫌でも私は頑張ってみる!』
120組中54位。
追い上げたと言えど、それでもトップには届かねーって、転科を考えた1年の3学期。
元カノと会ってる前で”ギリギリまで頑張る”って堂々と言い切った根性に。
やっぱりこいつ、おもしれーなって思った。
< 1 / 11 >