世界で一番いい女

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　以心伝心(いしんでんしん)神経衰弱(しんけいすいじゃく)。


『あなたにとって愛とは？』


　ボックスの中で壁に書かれていた難しい問い。


　透明シールに自分の思う答えを書いておき、学園がそれをハート形のふうせんへ貼る。


　ふうせんがランダムに置かれている中、パートナーの答えを会話なしで探し合い、ステージへもっていって揃える。


　という難易度(なんいど)の高いラブゲーム。


　俺が質問を見てパッと思い浮かんだのは、羽生との日常で。


　あぁ、俺はちゃんと羽生を想ってんだって、実感した。


　愛がなかったらすぐには連想されないはずだから。


　羽生と過ごしている日々を思い出して、俺が書いた答えは『言葉のいらないもの』。


　だって一緒にいたら想いは伝わるものだと思ってるから。


　手を繋いだり、ハグをしたり。


　キスもそれ以上のことも、全部行動で伝わるだろって。


　焦がれるように見つめていたら恋情だし、優しく触れたら大切な存在だってことだ。


　顔を赤らめながらも、なんとか頑張って応えてくれるのも愛。


　そう思ってたんだが……。